誰だ!?俺のハッピーターンを食べたやつ!!
新聞をとることにした。
泣き落としの新聞勧誘にひっかかったのだ。
新聞勧誘にやってきたのは栃木から派遣されてきた20代の青年だった。
「成績つかないと正社員になれないんですよー。」
「8年間付き合ってる彼女がいて、結婚したいんですけど
(相手の)親に認めてもらえなくて」
「なかなか正社員になれないです。」
この手の話を「ありがとうございます。」「お願いします。」をはさんで話してくる。
正直、君の人生どうでもいい。
どうでもいいけど、出会ったのも何かの縁。
新聞をとる契約を交わした。
泣きそうな顔で何度も「ありがとうございます。」を述べる。
「栃木から高速バスで6時間かかるんですよ。遠いです。」
日本からフランスまで飛行機使って13時間かかるんだけどね。
とることになった新聞会社は原発導入を推進人物がいたらしい。
その人はとっくの昔に死んでいるので、現在の惨事を知らない。
勧誘員の青年の話では親類の方が造園業を営んでいたそう。
3.11の事故後、仕事が激減。廃業寸前、廃業かもとのこと。
「今時、別荘買う人もいないし、造園も必要ないんですよ。」
「僕の住んでいるところ、福島近いんですよ。」とぽつり。
「福島の人も地元に帰れないみたいです。」
出来れば離れてとは伝えてみたものの、「彼女も栃木なんで。」
事故の影響で被害ををかぶった上に、生活苦ゆえ原発事業に関わった
新聞をセールスする。皮肉な話だ。
幸せなのは勧誘員の青年はその話を知らないこと。
日本は平和と言うけど、これのどこが平和なんだろう?
これからもっと大勢の人々が事故の影響で寿命を縮めるのに。
一人のおっさんの金と権力への欲のおかげで残った人間は苦しんでいる。
ところで話は変わる。
おとついから、買っておいたハッピーターンを探している。
部屋のどこかにあるはずなのに見つからない。
誰だ!?俺のハッピーターンを食べたやつ!!