【本末転倒】花屋に憧れて。。。【就職活動】
数年前に無知も承知で花屋になりたいと思っていた。
会社を辞めたくて、辞めたくて仕方のない気持ちを一人暮らしの孤独と冬の寒さと乾燥した空気でド派手に拗らせてしまい、これと言って何にもスキルはないけれど、何か別のことを仕事に出来ないかとパス取り作業に没頭する傍ら求人情報をひたすらヤホーで検索していた。
偶然見つけた花屋のサクセスストーリービジネスのホムペ。
今思えば、企業立ち上げコンサルでお金巻き上げ詐欺だと思うんだけど、現実逃避がガッチリ決まってしまい、花屋に漠然と憧れを抱き始めたのだった。
そのサクセスストーリーを丸呑みする訳でなく、早朝の生花市場のバイトを調べてみたり、電気屋さんの知り合いの花屋さんの話を聞いてみたり情報を収取していた。
手が荒れるしトゲで怪我もする、花束重いから体力もいる、早朝というか深夜12時に仕事始まり、サラリーマンの友達と時間帯が違うから会えない、さほど待遇面も良くない、上司がクズ等の苦行をほんのちょっぴりだけ聞いて木曽山水系のぬるま湯にどっぷり浸かりきった貧弱会社員の憧れはひっそりと砕け散った。
「花屋になりたい。」小学3年生の女子が学期末に提出する将来の目標をテーマに書く作文の様なひそやかな憧れを知り合いに呟いてみた。
その知り合いから返ってきた返答がなかなかのヘルでクソだった。「花屋なんかで飯が食えるか‼︎世界情勢考えろ!映画見てみろ!花なんか出てくるか!金が儲かるのは武器だ、武器。」正論っちゃ正論だけどさ、それ言っちゃおしまいよ。
私は平和がいい。あわよくば不労所得でのんべんだらりと生きていきたい。第9条の件は詳しくはないが、忘れてはいない。世界はサッカーかやきう等で楽しく争えばいい。
確かに花ではお腹が膨れないし、世界は平和にならない。ひょっとこしたら、知り合いは生きるのに必死で花を愛でる習慣がないのかもしれない。この世には趣味で花を育てるオッサンが多数存在することを知らないのかもしれない。
花は美しい。凛と誇らしげに、時には可憐に華開き、人の心を和ます。
もし明日に世界が終わるなら、食卓の真ん中に綺麗な花を飾り、おつまみをこしらえ、私が思う理想のイケメン※と赤ワインでも傾け、上等な分厚い肉を焼いて喰らい、楽しい話に花を咲かせ、海に沈みゆく夕日でも眺めて金曜ロードショーでも観ていたい。
そんなドラマチックな場面には花は必要だ。この世から、花を絶やしてはいけない。
※スーマラの田中かナイツの土屋
花屋のバイトもう一度探してみようかな。。。